登山に必要な装備

装備について
 必ずしもこうでなければと言うことはありません。
 必要と思われる最小限のものを持っていけばよいと思います。
(本格的雪山登山の装備は除きます。又個人の考え方により多少評価は変わります)
  防寒着・下着・ソックスの予備・レインウェア・ 傘・ザックカバー・スパッツ・帽子(バンド付き)・タオル・バンダナ・ヘッドランプ・予備電池・電球・水筒・地図・コンパス・ビニールシート・洗面具・メモ帳・筆記用具・ファーストエイドキット(常備薬、包帯等)・ エマージェンシーキット(笛、アルミシート)裁縫用具・ナイフ・ライター・マッチ・ビニール袋・手袋・時計・行動食・非常食・健康保険証・身分証明書・ガイドブック等
 
服装について
1 アンダーウェア
  吸湿性、速乾性に優れた新素材が定番です。
  汗などの水分をすばやく外部に発散させドライな状態を保ってくれる。
  つまり、汗をかいても冷たく感じず、ぬれても直ぐ乾くというものです。
  値段は普通のアンダーウェアより高めですが、洗濯もでき、抗菌処理もされています。
  薄手、中厚手、厚手、極厚手など生地の厚さもいろいろあり、時期に応じたものが良いですが中厚手のものが用途は広いです。
  夏の山行には半袖シャツのアンダーウェアが良いです。
  冬山ではブリーフやトランクスも新素材のものを着用するとよいです。

2 インナーウェア
  アンダーウェアの上に着るウェアのことで、行動着とも言います。
  オープンシャツやラガーシャツなどの長袖シャツで、素材はウール、または吸湿性・速乾性にた化繊混紡のものがオーソドックスです。
  オープンシャツは、前部のボタンをとめたりはずしたりするだけで、温度調節が可能。
  ラガーシャツは襟元が開閉できるボタンネックかジップネック・タイプを選ぶと良いです。
  ファッション性にこだわる人に様々な色と柄があります。
  寒いときには、シャツの上からさらに一枚重ね着しますが、今や定番のフリースジャケットは 吸湿性・速乾性に優れており、行動着兼防寒具として大変重宝します。

3 アウターウェア
  主に風除けのために着るもので、防寒対策には欠かせません。
冬山での仕様を前提とするな らゴアテックスの防湿性防水素材のものになりますが、冬以外に使用するなら、防水加工されている薄手のナイロン地のものでOK。
アノラックタイプとジャケットタイプがあります。

4 パンツ
  山行に適したパンツは、まず動きやすいこと。イージーパンツやクライミングパンツなどが、軽快で歩きやすいです。
またスポーツ用のジャージー(トレーナー)も歩きやすいです。
  夏山の場合は、ショートパンツにロングソックスが快適ですが、低木の中や藪こぎ時あるいは岩肌などで擦り傷を受ける可能性があり注意が必要です。

5 手袋・ソックス
  速乾性の新素材やウールを使った山行用のものが良いです。
指の部分が分かれている5本指タイプのソックスは、この上から通常のソックスを履くとふんばりが利いて疲れにくいです。
  薄手から厚手まで豊富なバリエーションがそろっており、季節や目的に応じて使い分けると良いです。
  一般に使用される軍手は防寒や防水性は無いため、新素材を使った薄手の手袋を用意しておくと良いです。

6 帽子
  アウトドア用に様々なスタイルのものがあります。
  夏に使用するものは通気性の良いものを選びます。 
  つばはあまり大きくなく軟らかいものが良いです。
  冬にかぶる帽子は主に頭部の保温を目的とするため、ウールまたはフリース製のものが良いです。
  必ず頭から耳まですっぽり隠れるものを選びたいです。(耳が寒さでちぎれそうになります)
  尾根や頂上での強風で帽子が飛ばされる場合があり、フックをつけておくと目印にも成り良いです。

7 レインウェア
  山行用のレインウェアは、雨さえ防げれば良いというものではありません。
 完全防水のものを着れば雨は防げますが、これを着て行動すれば汗をかき、レインウェアの内部で蒸れ、着ている物が濡れてしまいます。
  各社が開発している透湿性防水素材のものを選ぶと良いです。
 現在はゴアテックス製が主流になっています。
  またジャケットとパンツが分かれているものが便利です。
 袖口には雨の侵入を防ぐベルクロがついており、パンツの裾はジッパー付きのものが靴を履いたまま着脱できるので便利です。

8 折りたたみ傘
  天候により、レインウェアを着るまでもないが、降ったりやんだりする小雨の場合、軽量コンパクトな折りたたみ傘が便利です。

9 ザックカバー
  ザックは一応防水が利いていますが、やはり長時間濡れれば重くなります。
  容量にあったザックカバーを雨ふたに用意しておくと良いです。

10 スパッツ
  雨の日に歩くとパンツの裾が汚れるため、スパッツを装着すれば心配あり ません。
  汚れ防止以外に雨が靴の中に染み込んでくるのも防いでくれます。
ロングタイプとショートタイプの2種類があります。

11 登山靴
 ・ 軽登山靴(ナイロン)
   ナイロンアッパーの軽登山靴は、軽量で歩きやすく、履き心地もソフトで価格も手ごろです。
   日本の3000m級では小屋泊まりなら無雪期はこれで充分とさえ思えるものもあります。
   しかし、雨に弱いことと耐久性に劣ります。
   近年はゴアテックスブーティ内蔵によって、浸水性と保温性はかなり改善され、その分価格も革靴並みに上がりました。
   しかし、ゴアテックスとはいえ使用しているうちにナイロンと補強用の皮との縫い目から水が浸透してきます。
  縫い目にシームシーラー(目止め剤)を塗っても効果は一時的で、歩いているうちに剥がれてしまうおそれがあります。
   よく手入れされた革製登山靴に比べると耐水性が圧倒的に劣ってきます。
   ナイロンと革の縫い目が切れやすく、そこから小石 が入ることもあります。
   また、一般的にナイロンアッパーの製品は靴底がセメント圧着式が多いです。
   アッパーと靴底を縫い付けていないものは、接着剤およびポリウレタンが古くなると破れる時は一気に靴底が抜けることがあります。
  靴底のビブラムも比較的柔らかいタイプが使用されているのでかなり消耗が速く使用頻度保存状態にもよりますが寿命は5年程度です。

・ 革製登山靴
  革製登山靴は手入れに手間がかかりますが、耐久性や保温性に富みます。
 革靴が消耗しても張り替え可能です。
靴底が厚いものは重荷で着地した際の衝撃が軽減され,足への疲労度、が底の薄い軽登山靴とは絶対的に異なります。
 靴底が固く、曲がらないものは、縦走用というよりむしろ岩稜のクライミング向きです。
  革製登山靴は手入れによっては、撥水性、耐久性、保温性をそこなわずにかなり長持ちさせることが可能です。
 アッパーや靴底も固いのでアイゼンやワカンも対応できるものもあります。
  軽登山靴では、比較的柔らかな革を使用したゴアテックス内蔵のものがでており、軽く蒸れなく快適である。
厳冬期以外なら多少の雪でも縦走用としてかなり使い勝手がよいでしょう。
 重い革製登山靴より、ともすれば価格が張るものもあります。